

飲食店を開業する上で、店舗を維持・継続させることが重要だとわかっているけど、一体なにをすればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか?
コロナや物価上昇など、予期せぬ事態により廃業するパターンも少なくありません。
そこで今回は、多くの店舗デザインを手掛けた経験から開業する上で大事な3つのポイントと、コロナ禍でも生き残った店舗の共通点についてお話をします。
永く愛される飲食店を開業したい!と思っている方は、是非読み進めてください。
目次
店舗開業における重要な3つのポイント
1.コンセプトを明確にする
飲食店を開業する前に、自分の店のコンセプトを明確にすることが重要です。コンセプトとは、店の料理のジャンルやスタイル、ターゲット層や価格帯、店の雰囲気やサービスなど、お店のテーマや方向性を明確にしてくれます。コンセプトを明確にすることで、自分の店の強みや差別化ポイントを見つけることができ、同じ価値観を持つお客様を引き寄せることができます。
2.立地を慎重に選ぶ
飲食店を開業する際には、立地も大きな影響を与えるため、以下のような点に注意しましょう
- 交通アクセスが良いか
- 人通りが多いか
- 競合店が多いか
- 近隣住民や商店街との関係は良好か
- 賃料や契約条件は適正か
上記を踏まえ、ペルソナ設定した人の行動パターンを設定し、立地を絞っていきます。
3.資金計画を立てる
飲食店を開業するには、多額の資金が必要になります。資金計画とは、開業に必要な資金の総額や内訳、資金調達方法や返済計画などをまとめたものです。資金計画を立てる際には、以下のような点に注意しましょう。
- 開業費用や初期投資費用を見積もる
- 売上予測や経費予測を行う
- 自己資金や借入金の比率を決める
- 銀行や金融機関から融資を受ける場合は、事業計画書や担保などを用意する
資金計画は、開業後の経営安定にも影響する要素なので、正確に作成する必要があります。
以上が飲食店を開業する上で大事な3つポイントです。開業に必要な運転資金については、以下でお話をしているので、続けて読み進めてください。
運転資金の6か月を現金で持っておく

飲食店を開業したからと言ってすぐに繁盛店になるわけではありません。オープン景気を乗り越え、長期継続的な店舗経営ができるまで半年~1年かかります。
しかし、開業当初は日々の支出や緊急時の費用、食材や人件費の支払いなどの必要経費の支払いができないと経営ができません。開業時に、運転資金の6か月分を現金で持っておく理由については、以下の3つとなります。
1.開業初期の赤字期を乗り切るため
飲食店を開業したばかりの時は、まだ知名度が低く、客数も安定しません。そのため、売上が支出を上回ることは少なく、赤字になる可能性が高いです。
一般的に、飲食店の赤字期は3か月から6か月程度と言われており、この期間を乗り切るためには、現金で十分な運転資金を用意しておく必要があります。
2.事業計画や予算管理に基づいて経営するため
飲食店の経営には、事業計画や予算管理が欠かせません。事業計画では、目標や戦略を明確にし、予算管理では、収入と支出のバランスを把握し、無駄な出費を削減します。
これらを行うためには、現金で運転資金を管理することが有効です。現金で運転資金を管理すると、現状や将来のキャッシュフローを見える化しやすくなります。
また、開業してからは日本政策公庫をはじめとした機関から、お金を借りることができません。あくまでも、飲食店をはじめる上の初期費用としてお金を貸してくれますが、「経営不振になった」からということでは、回収できる見込みがないため貸してくれないのは当たり前なことです。
3.災害や不測の事態に備えるため
飲食店の経営には、予測できないリスクもあります。例えば、火災や水漏れなどの災害や事故が発生した場合、店舗の修繕や営業停止に伴う損失が発生します。
また、新型コロナウイルスのような感染症が流行した場合、自粛要請や営業時間短縮などの影響で売上が大幅に減少します。これらのような不測の事態に備えるためには、現金で余裕のある運転資金を確保しておくことが重要です。
以上のように、飲食店を開業する上で、運転資金の6か月分を現金で持っておくことには、多くのメリットがあります。その反面、現金で運転資金を持っておくことにもデメリットがあります。
例えば、現金は盗難や紛失の危険がありますし、金利やインフレの影響を受けやすいです。また、現金で運転資金を持っておくと、他の有効な投資や貯蓄の機会を逃す可能性もあります。
あくまでも現金で運転資金を持っておくことは、一つの手段であって、目的ではありません。飲食店の経営において、最終的な目的は、利益を出して成長することです。
そのためには、運転資金の管理だけでなく、メニューやサービス、マーケティングなどの様々な要素にも注意を払う必要があるということです。
コロナ禍でも生き残っている店舗

繁盛店であっても、コロナ禍に廃業をしている店舗もあります。では、コロナ禍でも生き残っている飲食店の共通点とは何でしょうか?結論は、『店舗デザインに対して、内装コストがかかっていない。』ことです。
そもそも、内装コストとはなんでしょうか?
店舗経営にかかるコストを分けて考えた時、『内装』と『設備』と『管理』の3つのコストに分けることができます。
・内装コスト
壁を立てたり、床を作ったり、ベンチソファなどの下地と仕上げの費用のことです。
全体コストの40%を内装コストとして使うのが理想です。
お客様は、内装やファサードをみてお店に入るかどうかを判断します。なので、内装とコンセプトのミスマッチが発生しているとリピートには繋がりません。
メニューや味よりも先に、店舗デザインから業態をイメージし、内装デザインとメニュー、コンセプトやサービスが一致していれば、リピーターとして足を運んでくれるようになります。
・設備コスト
「電気設備」「ガス給排水設備」「換気設備」「空調設備」「消防設備」のことを言います。
全体コストの40%を設備コストとして使います。
特に、電気・ガス給排水・空調設備のコストカットを行うと機能的に問題が発生しやすくなり、営業停止になる場合もあります。
・管理コスト
現場監督の人件費、その会社の経費、掃除道具や工事中の光熱費なども入ります。
残りの20%が管理コストになります。
全体コストを削減すると、必然的に内装コストの分配が減っていきます。内装コストを削減しすぎると、集客力は大幅に減少するため、料理や味、高いサービス力など、他の部分でのフォローが必要になってきます。
内装コストを削減することで、イニシャルコストを落とせますが、料理や味、高いサービス力を提供するために、スタッフの負担が増え、人件費が上がり、最終的なランニングコストが向上してしまうため、原価率が上がり、利益率が下がってしまいます。
コロナ禍で生き残っている飲食店の共通点
1.内装コストのバランスが良い
最低限必要な内装コストは使っていますが、過剰にコストをかけても、ある一定からは効果はありません。
余分な箇所にコストをかけず、見て欲しい箇所、目立たせたい箇所にコストをかけ、お客様が見る要素を絞っていくことが大切です。
2.小さなお店ほど特徴を作る
小さなお店は、限られた人数しかお店に入ることができません。
その為、お店の特徴を最大限出し、それを好むお客様だけを集めれば経営は成り立ちます。色々なことをするのではなく、1つのことに集中し、小さな店舗の小さな世界感を作り込むことが大切です。
3.環境の変化に柔軟
コロナにより飲食店の営業スタイルも大きく変化しました。
- テイクアウトやデリバリーなどの新しいサービスを提供す
- オンラインでの予約や決済などのデジタル化を進める
- ソーシャルメディアやWebサイトなどでの情報発信や顧客とのコミュニケーションを強化する
これらの共通点からわかるように、コロナ禍でも生き残っている飲食店は、顧客のニーズや環境の変化に柔軟に対応し、革新的な取り組みを行っています。必ずしも、デリバリーやテイクアウト対応が必要ではありませんが、SNSやWebサイトを利用した顧客とのコミュニケーションは必須と言えます。
昔とは違い、開業までにお店の認知・集客がしやすい時代になりました。
当社では、美容室・飲食店の店舗デザイン設計だけでなく、SNS・Webサイトの制作運用サポートまで携わっております。是非、お気軽にご相談ください。