当コラムを拝見いただきありがとうございます。
京都の店舗設計施工からブランディングデザインを得意としている50/50です。
今回は、プロの目線からどんな場所を選べばいいのか?を、お話したいと思います。
選び方によっては工事費用が余計にかかってしまう場合や、場所が悪く集客が出来なくて売上が上がらないなど、最悪の事態になってしまう事もあり得ます。
場所選びに迷われたときに少しでも役に立つように事例を交え、インテリアデザイナーとして活動をしている私の経験と知識も惜しみなく公開いたしますので、最後までお付き合いください。
目次
場所の選び方
店舗や開業する場所を選ぶ時、いきなり場所を選びはじめるのはNGです。
まずはしっかりと計画を立てる事が重要になります。
場所を選定する決め手となるのが
- 集客
- 立地
- 費用
この3つが特に重要になってきます。
なぜ、この3つが重要なのか?については、各項目に分けて説明してきたいとおもいます。
1. 集客について
まずは分析せよ
集客をする前に必要なことがあります!それは…『まずは分析せよ!!』です。
自分がどういう業態のビジネスを行うか、いくら位の単価で、どんな職種で、どんな人が1日何人来て欲しいかを決めるが重要になります。
競合分析をしペルソナを設定
次に、競合分析を行います。
google mapから周辺に同業者がどれだけいそうかを把握していきます。
※google mapを開き検索窓に『サロン』と入力し、調べたい地域から『周辺を検索』すれば、google mapに登録している店舗が表示されます。
そして、競合を把握した後は、具体的なターゲット層を決めてからペルソナを設定していきます。
ペルソナとはターゲットよりもより具体的な人物設定の事を言います。
例を挙げると
(例 40代男性の年収〇〇万円位 車を所有 家族が〇〇人 子供〇〇人のおじさん)などです。今回は大雑把に例をあげましたが、ペルソナ像を設定することで今後のプロジェクトやビジネスの方向性も決めやすくなります。
他にも、ペルソナを設定する上で重要な項目は
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 役職
- 年収
- 趣味
- 特技
- 価値観
- 家族構成
- 生い立ち
- 休日の過ごし方
- ライフスタイル
など、リアリティのある詳細な情報を設定していきます。
リサーチ
設定したら想定した人物が何人位まわりにいるかをリサーチいきます。
すでに競合がいるのであれば、競合の現状をベースに仮説を立て、立てた仮説を自社に置き換え比較してみるのもいいですね。
そして、リサーチができたら『最低月商見込み』を設定します。
ここで大事なのが、間違っても欲を出して設定しないこと。
あくまでも最低ラインで設定し、予想外のことが起きても維持運用できるようにすることが大切です。
スモールスタート
月商が設定出来たら以下の項目をピックアップします
- 経費
- 自分の給料(報酬)
を考え、家賃はどの金額までなら大丈夫なのかを考えて設定します。
家賃のように、毎月必ずかかってくるような経費や維持費などは、初めはできるだけ抑えて安くスタートすることをオススメします。
2. 立地について
移動手段を設定
1.集客で想定しペルソナ設定した人の行動範囲から、どこら辺が良いかフラッグを立てます。
行動パターンによっては、『車移動』か『自転車と電車移動』かまでを、細かく設定することが必要です。
ある程度のフラッグが立ったら、それぞれのフラッグを結んでエリアを決めて絞り込んでいきます。
そして、エリアの中にある(①で決めた家賃)+5万円くらいまでの範囲で店舗を検索してみます。
大小様々な不動産のサイトを検索すると、だいたい同じ様な物件が見つかりテナントの特長が見えてくるので、リストにしておくと便利です。
実際にリスト化するといい項目は
- 住所
- 家賃と面積
- 敷金礼金/保証金
- 物件情報記載の写真
- 魅力的な点
開業可能か確認をする
テナントのリスト化が出来たら、不動産会社へ連絡して開業される業態が可能かを確認します。
場所によっては大家さん次第で開業出来ない様な物件もありますので、事前に確認は必須です。
物件がある程度決まってきたら費用を払ってプロに物件を一緒に診てもらいます。
※OPENする業態の経験値がある設計会社や施工会社、工務店にお願いするのがいいです。
ここで費用を先に先行投資する方が後々、トータルの費用は安く済むので費用を払った方がいいと私は考えます。
(業種にもよりますが、飲食店や美容室などでしたら1物件2万円~4万円程で診て頂くことをオススメします。この費用は設備の調査にかかる人員の経費から算出しています。)
また、しっかり費用をお支払いして診てもらう事で、開業される方の信用にもつながりますし、開業される方からすれば面識や経験値の分からない工事業者や設計者を選定する事前の確認にもなりますので、気になることは躊躇せず質問するほうがいいです。
内装はしっかりと見る
内覧して雰囲気だけで物件を決めてしまってから相談される様な方もいらっしゃいます。
不動産屋は物件の知識はありますが店舗をプロデュースするプロではなく、あくまで物件の契約までが本業の為、細かいところまではあまり把握されていないことの方が多いです。
ただ、原状回復については必ずといっていいほど聞いておく必要があります。
こう言ったことを踏まえて開業するためのテナントや立地を決めていく必要があるのです。
当社では問い合わせフォームから物件の住所と不動産情報、現地の写真を送って頂いたら無料でご相談にのります。
メール、オンライン打ち合わせと、どちらもご対応致しますのでお気軽に問い合わせ下さい。
3. 費用について
大きく分けて費用としてかかってくるのが、家賃と敷金礼金です。
こちらも交渉次第では、記載の金額から値引きしてもらう様な事が出来ます。
物件情報と現場との相違があった場合
例を挙げると、
- 不動産情報記載の図面にある物が実際の現場にない時
- テナントに必要設備が備わっておらず引き込まないといけない時
美容室の案件でよくあるのが、給水の元が13A(小さい口径)で、シャンプー台を2台以上使う際は水圧の関係で20A(大きい口径)にするか、加圧ポンプで水圧をあげるかの選択が出てきます。
元栓(13Aの元の小さい口径)からやりかえる場合は、将来的にみても建物の資産になる為、交渉して礼金を無くしてもらうような事例もあります。
他にも、交渉の方法は物件毎に異なりますが、『情に訴えること』が一番だと思います。
単純に、『これから開業するので安くして欲しい!!』って事でも、他人が応援したい、背中を押したい、熱くストレートに、気持ちに訴える方法でもいいと思います。
家賃は月々かかってくるので、妥協せず自身が納得出来る金額と内容で決めていきましょう。
最後に
対面ビジネスを始めるに当たって一番初めに悩まれる重要なポイントですが、何を一番に考えるかで決まりやすくなります。
- 交通
- 立地
- 家賃や維持費
- 競合の有無 など
ちなみに、私が事務所の場所を決めたのは自宅から近い事と家賃が決め手でした。
意外と自宅から事務所、店舗の移動時間も大切ですからね。