京都を拠点に、店舗ブランディング・空間デザインから設計施工までを手掛ける50-50です。
美容室、飲食店など店舗開業において『コンセプト』は非常に重要な要素です。
ただ流行りに乗れば人が集まり、人気のお店になれるわけではなりません。
繁盛店、人気店に人が集まるのは、なぜか?
長く愛されるお店には、どんな秘密があるのか?
店舗経営を少しでも長く、多くの人に愛されるお店にするためにはコンセプトを決めることが必要不可欠。
今回は、コンセプトの重要性とコンセプトの決め方について解説します。
目次
店舗デザインになぜコンセプトが不可欠なのか?
店舗デザインとは、お客様に商品やサービスを提供する空間を創り出すこと。
その空間は、お客様の心に印象を残し、購買意欲やリピート率を高める重要な要素です。しかし、ただ見た目が美しいだけでは、お客様の心に響く店舗にはなりません。
そこで必要不可欠になるのが、『コンセプト』です。
コンセプトとは、店舗のテーマや方向性を明確にしてくれます。
その為、コンセプトを決めることで、店舗の目的やターゲット層、競合との差別化などが明確になり、店舗のレイアウトや色彩、照明、素材などのデザイン要素を統一することができます。
デザイン要素を統一することで、お客様に一貫したメッセージを伝えることができるため、同じ価値観を持つお客様(ターゲット)を引き寄せることができます。
そして、コンセプトがある店舗ほど、お客様に強い印象を与えることができるため、『人気店』や『繁盛店』になりやすいのです。
スターバックスコーヒーはコーヒーを販売していない?
例えば、人気カフェチェーンのスターバックスコーヒー。
男女共に利用する人が多く、20代と30代が47.9%の利用割合を占める人気コーヒーチェーン店です。
多くの人が、スターバックスは色々なコーヒーを販売し提供することがコンセプトだと思われがちですが、
実は、スターバックスのコンセプトは『サードプレイス』。すなわち、「第三の場所」を売ることをコンセプトとしています。
第一の場所『家庭』で気遣い、第二の場所『職場』では気を引き締める。
休まることができない人に、休まる場所『第三の場所』を提供する、「避難所」的なコンセプトを掲げてスターバックスは誕生し、今もなお人気を保ち続けているのです。
このようにコンセプトは、店舗デザインの基盤となり、コンセプトがなければ、店舗はただの空間に過ぎません。
スターバックスは、コーヒーを売っているのではなく、休まる場所『第三の場所』を売っている。
お客様は、場所を買い、リラックスするついでにコーヒーが付いてきた。くらいの感覚が正しいのかもしれませんね。
お客様が『くつろぎ、癒される』空間がスターバックスにはある。
こうしたコンセプトの統一が、お客様の心に残る空間となるため、コンセプトを決めることは、不可欠となってくるのです。
コンセプトを決めるためのポイント
まず、コンセプトを決める前に、『商品やサービスの内容』・『セールスポイント(店舗の強み)』を反映する必要があります。
商品やサービスの内容が不明確な場合、お客様が店舗に足を運ぶ可能性はかなり低くなると言えるからです。
その為に、以下のポイントを明確にしていきます。
- 5W2H、自店舗の目的や商品・サービスの特徴などを言語化する
- ターゲットとする顧客層と市場における自店舗の立ち位置をターゲティングとポジショニングで明確にする
- 顧客のニーズや競合店の状況を市場調査と競合分析で把握する
- 店舗の魅力や独自性を端的に伝えるキャッチフレーズを考案する
これらのポイントに沿って店舗コンセプトを設計すれば、顧客満足度を高めるとともに、店舗経営の柱や事業計画書にも活用できるなど、店舗の方向性を決定づけてくれるため、経営面にもプラスに作用すると言えます。
店舗デザインを決める前にコンセプトを決定し、店舗デザインとコンセプトが乖離しないようにすることも大切です。
あまりにも、デザインとコンセプトがかけ離れていては、新規顧客はおろか、リピート顧客の獲得さえも困難になるでしょう。
その為にも、コンセプトを決定し、外装・ファサードで顧客を魅了し、ストーリーを感じられる内装デザインで、店舗の世界感を演出する。
コンセプトが決まっていれば、その後の企画や新規メニューの開発などの検討がしやすくなるメリットもあります。
コンセプトは店舗ストーリーと一緒に考える
実は、コンセプトだけを決定しても、人気店・繁盛店になることはできません。
コンセプトと同様に、『店舗ストーリー』を決定する必要があります。
よく、ストーリーとコンセプトを混合してしまいがちですが、二つは密接に関係しています。
コンセプトは、目的や特徴などを言語化すること。
ストーリーは、何が起こるか?感情移入させたり、興味を引いたりすることだと言えます。
何が起こるかわからない『ワクワクやドキドキ』と言った感情を体験することで、より一層お店のコンセプトを引き出し、リピート顧客の獲得へと繋がります。
実際のところ、人の味の記憶はとても曖昧です。
味や味覚へ訴えかける『コンセプト』も重要ですが、体験による幸福を感じられる『ストーリー』も同じくらい重要であることが言えます。
コンセプトを決定すると同時に、ストーリーも考え、『また、行きたい!』そう思って頂ける店舗づくりをしていくことが大切です。
コンセプトワーク実例を用いて説明
昭和のテイストを現代にアップデートした令和モダンスタイルな焼肉店をデザイン。
コンセプトは『幅広い人から好まれる親しみやすいお店』です。
先を考えたお店創りが他に無い空間を創り出し、掃除とメンテナンスがしやすい素材を選択。
お店のエネルギーがお客様へ伝わればと思い、大将や従業員の方の人柄がダイレクトにお客様とコミュニケーション出来るような仕掛け(具体的には壁面の牛型黒板、メニューの木札)をツールとして用意しました。
いい意味で悪ふざけして、お客様を喜ばせて頂けたらコロナ禍以降も幅広い人から好まれる八方美人のお店になれることを想像してデザインしております。
コンセプト作りに迷ったら!?
コンセプトの重要性は理解したけど、実際に決めていくのは非常に困難だと思います。
店舗オープンの準備や、諸手続き、資金調達など、個人店であれば尚更のこと。
「こんなイメージは持っている。」という理想やイメージがあるものの、『デザインのことはわからない』『経営に関する判断に迷っている』など、よくあることです。
そういった時は、是非当社へご相談ください。
50-50は、設計から施工、コンセプトやストーリー設定まで、トータルブランディングサポートができます。
店舗デザインだけでなく、コンセプト作りからサポートすることで、店舗デザインのイメージ共有が容易になり、一社一貫施工を行うことで『コスト削減』にも繋がります。
店舗開業時の開店資金を少しでも残しておくために、コスト削減は重要なこと。
人気店、繁盛店、長く経営できる店舗デザインを、是非一緒に考えていきましょう。